北沢防衛相は7日、沖縄県を訪れ、仲井真県知事と会談。米軍普天間基地の名護市辺野古への移転について理解を求めたが、仲井真氏は「移設先は県外に探してほしい」と主張し、議論は平行線をたどった。

菅政権は、6月までに開催が予定されている「日米外務・防衛担当閣僚会合(2プラス2)」で、「辺野古への移設」「滑走路2本のV字案」で合意したい考えだ。しかし、民主党政権は自ら「県外移設」という負の種をまいたために、現在、その刈り取りに苦しんでいる。

しかし、本当に苦しんでいるのかも疑問だ。菅政権は今回の沖縄訪問が平行線で終わることは始めから分かっていただろう。それでもあえて訪問したのは、国内外に「私たちは努力した」というポーズを見せるためではないか。そうすることで、「移設が進まないのは沖縄のせい」と責任をなすりつけることができるからだ。

もちろん沖縄県への説得は大事だが、菅政権からは是が非でも移設を実現させようという強固な意志を感じない。「県外移設」を唱えた張本人の鳩山由紀夫前首相は、会談が行われた7日、北京で開かれたファッションイベント「2011北京・東京ガールズコレクション」のゲストとして出席。ステージ上で、「ニイハオ、友愛の伝道師、鳩山です」と能天気に挨拶する始末だ。

そもそも民主党政権の基本政策「地方主権」の本質は、地方に責任をなすりつけて自分たちは責任逃れをする点にある。もし、菅政権がその責任をまっとうしたいならば、残された道は政権の座から去ることをおいてほかにない。(格)

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