6日、オバマ米大統領はケンタッキー州のフォートキャンベル基地を訪問し、オサマ・ビンラディン襲撃作戦を実行した海軍特殊部隊「SEALS」の隊員らと非公開で面会し、「よくやった」と功績を称えたという。

オバマ大統領は、隊員らに大統領から軍部隊に贈られる勲章としては最高位の「特殊部隊章」を授与。その後、アフガンからの帰還兵ら約2300人を前に慰労の演説を行った。

演説では、「我々は彼らの頭を切り落とした。最後には勝つだろう」「我々の戦略はうまくいっている。ついにウサマ・ビンラディンに正義が下されたことが何よりの証拠だ」と作戦の成果と意義を強調した。

だが、一方で日本はどうか。東日本大震災の復旧活動において、自らは風呂も入らず、寒いなか冷たい食事を取りながらも、被災者に風呂を準備し、暖かい食事を配給する。放射能を気にしながら物資の輸送を行い、自身の親族を捜したい気持ちを抑えて遺体の捜索・収容・搬送を行う――そんな自衛官たちに、なんら十分な感謝と栄誉を贈れていない。菅首相が3月末に防衛省を訪れて、「頑張っていただきたい」と述べたに過ぎない。

外国では、米国だけでなく、英国、フランス、スペイン、イタリアなどでは軍人向けの勲章を設けている。今回の大震災での自衛官の目覚しい活躍は、これらの国であれば当然勲章を得ているのではないだろうか。

国民のために貢献する自衛官に、功績を称える演説も勲章の授与もできない人を国のトップにいただく日本。私たちの誇りとはいったい何なのか。帰還兵らを勢いよく盛り上げたオバマ大統領の演説姿を前に、今問いたい。(吉)

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