震災における政治家の役割について、米のジュリアーニ前ニューヨーク市長が「人々の目を未来に向けさせ、『いつまでもこの状態が続くわけがない』と思わせることだ」などと重要な論点を、27日付日経新聞のインタビューで語っている。

2001年の米同時テロ発生当時、ジュリアーニ前市長は経済的打撃から立ち直るために、「ブロードウェーの俳優に『仕事に戻れ』と促した。『レストランを開け』『野球を再開しろ』と。10日目に自らコメディ番組に出演し、『みんな笑っていいぞ』と言った」と振り返る。

日本の政治家が為すべきことについて、「人々の目を未来に向けさせ、『いつまでもこの状態が続くわけがない』と思わせることだ。個人の鬱状態と同じく、社会の鬱状態の主な原因は先行きの展望の欠如だ」「東京がふだん通りに暮らせば経済も活性化する。それを人々に伝えるのが指導者の仕事だ」と語った。

また、危機管理の大切なポイントとして、「指揮で大事なのはワン・ボイス(命令を出す人を1人に絞ること)だ」「情報はすべて公開した」などと述べている。

ジュリアーニ前市長はテロという危機に見舞われた中でも、経済活動の活発化を呼びかけ、人々に明るい展望を示し、強いリーダーシップを発揮して、市民の信頼を勝ち得た。翻って日本の現状を見ると、菅民主党政権は、自粛を呼びかけ、明るい展望も示せず、多くの組織をつくって自らの責任を回避し、国民の信頼を失っている。

これほどまでにリーダーシップが欠如した国家指導者を戴く日本国民は不幸だが、その民主党政権を誕生させたのは日本国民自身であることを忘れてはいけない。今回の震災で分かったことは、選挙で政治家を選ぶときは、その政治家に自分の「生命」「財産」「安全」を委ねる覚悟で選ばなければいけないということだ。(格)

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