与那国島で自衛隊が電波環境技術調査を実施した。27日付八重山毎日新聞が1面で報じている。

20日から25日にかけて、航空自衛隊入間基地(埼玉県)の電子開発実験群の隊員ら6人が、特殊車両2台と電波環境測定装置などの調査機材を使用して、島の5カ所で周辺無線局との電波干渉などへの影響がないかどうかを調べた。

昨年12月に政府が新防衛計画大綱と中期防衛力整備計画で南西地域の島嶼部の防衛力強化を打ち出しており、将来的に与那国島に移動警戒レーダーを運用する部隊を展開することを想定したものと見られている。

移動レーダーは、目標(航空機)の情報を方位、距離、速度および高度等について計算機で処理表示する。

東日本大震災で東北地方に日本中の視線が注がれ、自衛隊や米軍の戦力も集中されているが、その隙をついて、いつ中国が尖閣諸島など南西諸島の実効支配に強硬姿勢を見せるか分からない。被災地に派遣された自衛隊10万人は全隊員の42%にもなる。ようやく10万人体制の縮小が検討され始めているところだが、国防の「空白」を生まないためにも、今回の与那国島の動きは望ましいことだ。(吉)

【参考】本誌6月号特集 「日本から左翼貧乏神をたたき出せ」

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