昨日、天然資源の確保を目指す中国が新型ガス田を開発しており、東シナ海の油田も問題になってくるだろうと述べたが、さっそく、9日付の朝日新聞で、東シナ海の「白樺」(中国名・春暁)ガス田において中国が「生産段階」にあることを明らかにしたという記事が1面に載った。

朝日新聞によると、8日、同ガス田の開発を担っている国有企業、中国海洋石油(CNOOC)の幹部で、全人代の代表である宋恩来氏が「春暁ガス田を我々はすでに開発し、生産をした。現在、すでに石油が出ている」と述べた。

白樺ガス田は、日中中間線付近にあり、2003年に中国側が開発に一方的に着手した。日本側がそれに反発して、2008年に日本側が出資額に応じて権益を受け取ることになったが、その後中国側が交渉を一方的に延期し、昨年9月には掘削機材を持ち込んだりしていた。

このまま放っておけば、白樺は中国固有のものとなるのは確実だろう。白樺は日中中間線の中国側にあるものの、地下構造が日本側までつながっており、ガスの採掘が始まれば、日本の資源も吸い取られてしまう可能性がある。また、沖縄トラフまでを自国の排他的経済水域と主張する中国がさらに日本側まで制海権を伸ばそうとしてくるのは必至だ。(吉)

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