菅直人首相は24日の衆院本会議で、民主党が09年の衆院選で掲げた目玉政策の一つである子ども手当について「議論がなされている小沢(一郎)代表の当時、2万6千円と聞いたとき一瞬ちょっとびっくりした」と述べた。

現在の財政状況では子ども手当の満額支給は困難という見方が強いなか、党首自らが当初よりそうした認識を持っていたことを示唆したことになる。自民党の谷垣禎一総裁は「当時代表だった小沢一郎氏が提案したものだからおれは責任を負わないぞと言っているように聞こえた。無責任極まる発言だ」と批判。

こうした責任逃れは首相就任時点から始まったものであり、いまさら驚くことではない。鳩山前首相は普天間基地問題の責任を取る形で辞任したが、菅氏は鳩山内閣の発足時から国家戦略担当大臣を務めており、その後は副総理に就任していた。沖縄基地という国防に関わる問題は「国家戦略」そのものであり菅氏にも責任はあったはずだが、表紙替えでそのまま首相になった経緯がある。

今回の件にしても、民主党マニフェストで子ども手当が月1万6千円から2万6千円に増額されたのは、小沢代表時代の07年。この時期の菅直人氏は党代表代行であり、党のマニフェスト決定には当然責任を負う立場にあったわけだが、やはりその自覚は薄いようだ。

菅首相誕生時の内閣支持率は60%を超えていたが、今年2月時点では17.8%(時事通信社調べ)。世論もとうとう、民主党の責任逃れに辟易してきたか。(雅)

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