12年度米予算教書において、国防予算費は、アフガニスタンやイラクでの戦費を圧縮し、前年度比約5%減の6706億ドル(56兆円)となった。2001年の同時多発テロ以降、国防費は「聖域」とされ、膨張してきたが、同時多発テロ以降、初めて前年度を下回った。

ちなみに、ゲーツ国防長官は、2010年6月にフォーリン・アフェアーズに論文Helping Others Defend Themselves--The Future of U.S. Security Assistance--という論文を寄せている。タイトルが示すとおり、「自ら防衛する国をアメリカは助けよ」というのが論文の趣旨である。この軍事政策は、破綻国家に対して有用だとしつつも、米国の軍事政策の歴史は長く、ウィンストン・チャーチルが「われわれに武器を与えよ。そうすれば決着をつけてみせる」と表明した時代までさかのぼることができるという。

日本は米国と軍事同盟を結んでいる。この条約は、片務的に理解されているが、日本がこれだけの大国になった今、大川総裁が述べるように、戦後の荒廃期ならともかく、「米国が引いていこうとするのであれば、日本もそれを補完すべく、『自分の国は自分で守る』という方針を立てていくのが正しい」(『幸福維新への道』街頭演説集3)であろう。

日本の片務的理解は、世界において日本が果たすべき役割をあまりに無視したものである。

米国の台所事情が苦しくなってきている今、ゲーツ国防長官のメッセージを正しく受け止めるべきときにきているのではないか。(HC)

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