《ニュース》
トランプ米大統領は22日、自身のSNSで「ベネズエラ介入の真の狙いは、中国共産党を封じ込めること」とする米軍事専門家のレポートを紹介しました。
《詳細》
このレポートのタイトルは、「ドンロー・ドクトリン、稼働」。米軍が3日にベネズエラを攻撃し、ベネズエラ大統領のマドゥロ氏を拘束した直後の6日に、米保守系シンクタンク「クレアモント研究所」のホームページに掲載されました。執筆したのは、米軍事専門家のマイケル・ウォーラー氏。同氏は本誌の取材にも2度ほど応じています(関連記事参照)。
「ドンロー・ドクトリン」というのは、トランプ氏の名前「ドナルド」と、南北アメリカ大陸を含む西半球への欧州列強の関与を強くけん制する「モンロー・ドクトリン」を掛け合わせた造語で、「西半球におけるアメリカの覇権を強化し、敵対勢力を排除する」というトランプ氏が提唱する外交方針を指しています。
ウォーラー氏はレポートの中で、「中国共産党の戦争計画者(軍事計画を作成する専門家)たちは、アメリカがマドゥロ政権を打倒するとはほぼ考えていなかっただろう。こうした新たな状況下では、習(近平国家主席)が台湾に侵攻する可能性は低く、トランプが中国の石油供給(ベネズエラなど)を支配していることは、党のリーダーとしての、そしてすでに血を流している南半球の後援者としての、習の一見無敵な地位に傷をつけていることだろう」と指摘しています。
ベネズエラと(トランプ政権が圧力を加えている)イランの石油は、現在の中国の石油輸入量の30~35%を占めていると説明(さらにアメリカの懸念に応じてくれるアラブ諸国の約40%が加わる)。ベネズエラとイランでは近々親米政権が樹立すると予想されるため、トランプ氏は共産主義中国の現在の石油需要の70%以上を規制できることになると指摘します。
ウォーラー氏は、「ベネズエラ(そして間もなくイランでも)の政権交代による影響が、党の支配者である習近平を打倒する可能性は低い。しかし中国共産党の安価な石油獲得に深刻な混乱が生じれば、習の支配的な物語は揺らぐだろう。習の政治的リスクは高まり、駆け引きの余地は狭まり、国内外で彼の弱点は露呈することになるだろう。石油価格の不安定化が経済ショックや目に見える統治の失敗を招けば、これらすべてが習の立場をさらに危うくするだろう」と述べています。
中国共産党内で強力な利益団体となっていて、習氏の巨大経済圏構想「一帯一路」において大きな役割を担っている国営石油会社の取引や精製業務が、大きな打撃を受けることになれば、エネルギーコストの上昇、経済活動の停滞、インフレの誘発につながります。
ウォーラー氏は、トランプ政権が中国の石油輸入を規制できるということは、中国共産党による台湾侵攻や台湾の半導体産業の掌握を遅らせるだけでなく、海軍基地の建設や人工知能支配など、習氏の他の計画を遅らせることになると指摘。これは「習による統治の終焉、中国における共産党支配の終焉、そして中国共産党そのものの終焉を意味する可能性がある」とまで述べました。
そしてウォーラー氏は、日本経済新聞の取材に対し、「トランプ氏が描く国家安全保障戦略は本質的には共産主義・中国の世界支配を封じ込めることを目的としている」と語っています(27日付)。
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