《ニュース》

米ノースカロライナ州のセントラル・デビッドソン高校の16歳の男子生徒がこのほど、英語の授業で語彙の課題を出された際に、「違法在留外国人(illegal alien)」という単語を使ったとして、3日間の停学処分を受けました(15日付米カロライナ・ジャーナル)。

《詳細》

カロライナ・ジャーナルによると、教師が授業中に「alien」という単語を含む語彙を考えるという課題を出したため、男子生徒は課題の意図を理解するために、「宇宙人か、グリーンカード(アメリカ永住権)を持たない違法在留外国人のようなものですか」と教師に質問しました。

すると別の男子生徒がその質問に腹を立て、質問した男子生徒と戦うと何度も脅したため、教師は教頭にこの件を持ち込みました。最終的に、「違法在留外国人」という言葉がヒスパニック系のクラスメートにとって侮辱的で無礼なものだと判断され、「人種差別」だという理由で、質問した生徒は3日間の停学処分を受けました。

停学処分になったことについて、生徒は「誰かに向けて意見を言ったわけではありません。質問したのです。それに私はヒスパニック系のことを話したわけではありません。他の国から来た人は皆グリーンカードを必要としています。また違法在留外国人という言葉は、ニュースでも聞きますし、辞書にも載っている実際の言葉です」と語りました。

この生徒は大学でスポーツに関する奨学金を得ることを目指していますが、停学処分を受けたことによって、それが難しくなる可能性があるといいます。生徒の母親は「彼(息子)は打ちのめされており、学業の記録に人種差別のレッテルが張られることで、陸上競技の奨学金を受けるという将来の目標に悪影響を与えるのではないかと心配しています」と、地元当局者にあてたメールで述べています。

教頭が生徒の記録から停学処分を削除することを拒否したため、生徒の家族は弁護士を雇い、将来に悪影響を及ぼさないよう働きかけていると伝えられています。

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