自民党は24日、今夏の参院選の公約として、法人税率を20%台に引き下げることを明記すると決定した。25日付産経新聞などが報じている。

日本の法人税率は、国と地方を合わせた実効税率が36%弱と、中国や韓国の20%台などに比べて高い。法人税率の高さは、人件費の高さなど、日本のものづくり空洞化の原因である"六重苦"の一つと見られている。自民党は、実効法人税率を20%台に下げることで、海外に移転した工場を国内に呼び戻し、国内投資を活性化させ、雇用を増やすとともに、外資を呼び込む効果を期待しているという。

法人税の税収は、法人税率を1%下げるごとに約900億円減ると見積もられている。しかし、減税すれば景気は回復し、個人の所得税の税収などが増えて、その分を補うことができる。

自民党の減税路線は、確かに景気回復の効果はあるかもしれない。しかし、経済的な効果以上に、「国民の経済的自由を守る」という観点から減税路線を取っている政党がある。それが幸福実現党だ。

同党の創立者である大川隆法総裁が起草した憲法試案は、「国家は常に、小さな政府、安い税金を目指し、国民の政治参加の自由を保障しなくてはならない」と定めている。

これは税金は安ければ安いほどよいとした、20世紀を代表する経済学者ハイエクの思想に通じるものだ。ハイエクは、所得をどのように使うかは個人の自由であり、税金が高いということは、その自由を国家が奪うことにつながると考えた。

自分が働いて得たお金は本来、自分自身に使う権利がある。税率を高くするのは、個人が汗水たらして働いて得たお金を、国が奪い取るのと同じなのだ。また、法人税率を高くすれば、企業としても利益を上げるためのモチベーションがなくなってしまう。

まずは日本で減税の議論が出てきたことを歓迎するが、社会保障のための消費税引き上げを言ってきた自民党の減税路線は、国民の歓心を買うための景気対策でしかない。国民の自由を守るための、「真の減税路線」こそが必要とされている。(居)

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