参院山口補選告示 「消費税増税、憲法改正、原発再稼働」が争点

幸福実現党からは河井美和子氏が立候補

河井美和子候補(左)、JR山口駅前での第一声にて。幸福実現党・矢内筆勝党首(左)も応援演説した。

民主党から自民党への政権交代後、初の国政選挙である参院山口補選が11日、告示された。4人が立候補を届け出た。夏の参院選の前哨戦と位置づけられており、各党の戦いが注目される。

立候補したのは以下の4人(届け出順)。

自民党公認で公明党推薦の江島潔氏(56)

共産党公認の藤井直子氏(60)

幸福実現党公認の河井美和子氏(50)

無所属で民主党・みどりの風推薦の平岡秀夫氏(59)

江島氏は、安倍政権の経済政策などの実績を訴え、憲法96条の改正についても焦点としたい構え。

藤井氏は、消費税増税反対、TPP参加反対、原発再稼働反対、オスプレイ配備の阻止を訴える。

河井氏は、消費税増税に反対。同時に、上関原発の建設推進や、岩国基地の強化による国防の強化を訴える。

平岡氏は、民主党・社民党の応援を受け、安倍政権への反対や、脱原発を訴える。

今回の主な争点は、中国電力上関原子力発電所(山口県上関町)の建設、経済政策、憲法改正など。憲法改正に向けては、憲法9条改正のため96条の改正が今夏の参院選の大きな争点になると予測されており、その「前哨戦」が始まった格好だ。

だが、今、さらに緊急性を帯びている「争点」こそ、国防政策だ。北朝鮮が核実験を繰り返して核開発を進め、ミサイルの発射を宣言、「日本も標的になりうる」と脅しをかけている。また、中国も日本の諸都市に向けてすでに核ミサイルを向けている。

この国防について争点をはっきりと主張しているのは河井候補だけだ。自民党などが主張する、憲法9条改正のために憲法96条を改正するという手続きには時間がかかり、有事の際に間に合わない可能性が大きい。そのため幸福実現党は、「平和を愛さない国家」である北朝鮮や中国に対しては「憲法9条適用除外」という政府の憲法解釈変更によって、敵地先制攻撃を含めた防衛を可能にすることを公約に掲げている。

河井候補は報道陣を前にした出陣式で、「この選挙の本当の争点は、候補者一人ひとりが国を守る気概を持っているかどうかです」と強く訴えかけた。また応援に駆けつけた矢内筆勝・幸福実現党党首も、国防や消費税増税反対という同党の「ブレない」政策を訴えた。

今回の山口補選は、自民党の岸信夫前参院議員が昨年の衆院選に山口2区から出馬するために辞職したことに伴うもの。今月28日に投開票が行われ、1人が選ばれる(任期6年)。