北朝鮮の3度目の核実験の予告に対し、米国防省のヌランド報道官は「重大な行動を取る」と警告した(30日付各紙)。北朝鮮へのけん制の意味で、グアムにステルス戦略爆撃機B-2を2機展開させることも決定している。日本政府は安部首相が「核実験をすれば、日本は国際社会と連携し相当厳しい対応を取らなければならない」とコメント。北朝鮮への制裁強化も辞さないとした。

「重大な行動」とは何を意味するのか。過去の例では1998年、国連がイラクに対し「いかなる侵害も、もっとも重大な結果をもたらす」と警告し、やがてイラク戦争が起きてイラクは敗北した。また、一般に米民主党はハト派と言われるが、実は第二次世界大戦を見ても分かるように、民主党の時に多く戦争が起こっている。こうした例を見れば、「重大な行動」が北朝鮮の核施設等に対する軍事行動を示唆することは明らかだろう。

米がグアムに展開するB-2爆撃機は、敵国の防空網を突破し指揮・管制機能と防空システムを破壊することを任務とする。真っ黒で尾翼もないのっぺりとした三角形の外見は、さながらUFOのよう。その形状や塗装から高いステルス性を有し、既存の防空システムでは撃墜することはできないと言われ、一説にはレーダーに映る機影は小鳥サイズだという。各種爆弾・ミサイルの他に戦術核も搭載可能だ。その高性能にふさわしく1機2千億円もの費用がかかり、アメリカといえど20機しか保有していない。

大した防空システムを持たない北朝鮮にB-2爆撃機を使うのは、まさに「鶏を割くに牛刀を用いる」に等しいことを考えれば、今回のメッセージや配備は対北朝鮮だけでなく、背後にいる中国に向けてのものとも言えよう。

仮に米軍が対北朝鮮の軍事行動を起こせば、日本も必要に応じ、日本海にばら撒かれる機雷の除去、対潜行動、ミサイル防衛、兵站の一部などを引き受けることとなるだろう(これらの行動は、東西冷戦時代に自衛隊が創設された目的でもある)。だが、日本が率先して軍事行動を取れないのは情けない。経済制裁だけでは中国がバックにいる限り、大した成果は望めない。北朝鮮の核の脅威から国民の生命を守るため、早急に憲法改正などをして武力行為を視野に入れる必要がある。(悠)

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