第2次安倍内閣が26日、発足した。左翼色の強い民主党政権とは異なる顔ぶれだが、来夏の参院選までは、マスコミの批判や中国の横やりを入れられないよう、政権の「安全運転」を強いられる。しかし、果たして緊迫する国際情勢が、そのような余裕を与えてくれるだろうか。

発足した安倍内閣は、副総理・財務相・金融担当相に麻生太郎氏、外相に岸田文雄氏、環境相兼原発事故担当相に石原伸晃氏など、首相経験者や派閥トップが顔をそろえ、保守色を前面に出した布陣。党三役も、総務会長に野田聖子氏、政調会長に高市早苗氏という女性議員を起用するなど、清新なイメージを打ち出した。

だが、本欄でも紹介したが、衆院選で自民党の大勝予測が出始めたころから、国内外のメディアが「日本の右傾化に警戒せよ」と騒ぎ始め、北朝鮮がミサイル発射実験を行い、中国が尖閣周辺の空域を初めて領空侵犯するという事態が起こった。

安倍氏は衆院選直後、周囲に「来年夏の参院選までは安全運転でいくしかない」と漏らしたというが、それを裏付けるように、25日の公明党の山口那津男代表との党首会談で交わした連立合意文書でも、憲法や外交・安全保障分野で、自民党が選挙中に掲げていた威勢のいいトーンから曖昧な表現に弱めている。

その一方で、尖閣諸島周辺の海や空への侵犯を続ける中国は、最近、習近平指導部に近い学者が、とうとう「日中両国による尖閣諸島の共同支配」(25日付産経新聞)を提案するなど、日本侵略の機会を狙っていることを隠そうともしなくなっている。

その動きを予測したように、大川隆法・幸福実現党創立者兼党名誉総裁は11月、同党の研修局長・加藤文康氏との対談の中で、尖閣をめぐって日中両軍が対峙する事態に発展したとき、予想される安倍氏の対応について、次のような懸念を示した。

「『中国に住んでいる日本人を全員ひっ捕らえて死刑にし、吊るした映像を流しても構いませんか』ということが問われたときに、機関銃であろうが、大砲であろうが、ミサイルであろうが、本当に撃てるでしょうか。『国家の主権よりも、人権のほうを優先します』と言うかもしれません」(『幸福実現革命 ―自由の風の吹かせ方―』より抜粋)

「危機突破内閣をつくる」と公言した安倍氏だが、果たして、迫りくる危機を本当に突破できるか。憲法改正に配慮した政権運営も大切だが、今、求められるのは、「何が正しいか」を明らかにし、国民を率いる強いリーダーシップである。(格)

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公開霊言対談抜粋レポート 「幸福実現革命―自由の風の吹かせ方―」 2012年11月16日収録

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【関連書籍】

幸福の科学出版HP 『幸福実現革命 ―自由の風の吹かせ方―』 大川隆法著

http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=863