中国の国家海洋局所属の航空機1機が13日、日本の領空を侵犯した。現場は尖閣諸島の魚釣島から南に15キロほどの地点。中国機の尖閣への領空侵犯は、統計が残る1958年以来初めてだが、衆院選の舌戦で、中国・北朝鮮の脅威を明確に訴え、具体的な対応策を掲げる政党は、唯一、幸福実現党だけだ。

領空侵犯を受けて、海上保安庁が無線を通じて警告すると、中国機は「ここは中国の領空である」と応えた。その後、藤村官房長官は、「極めて遺憾だ。主権の侵害には断固として対応する」と述べ、野田佳彦首相は街頭演説の中で、「緊張感を持って警戒・監視に当たる」と話した。

「遺憾の意」は日本政府の常套句だが、隣国からの軍事的な脅威が「遺憾」で済まなくなる日は刻一刻と近づいている。だが、衆院選でこの中国やミサイルを発射した北朝鮮を明確に批判する政党は少ない。

安全保障について、各党は政権公約(マニフェスト)で次のように記している。

民主党は、「北朝鮮による拉致事件の解決に全力を尽くし、核・ミサイル問題に引き続き全力で対応します」「『核兵器のない世界』の実現に向けて努力します」。自民党も、「『対話と圧力』の方針を貫き、拉致問題の完全解決と核・ミサイル問題の早期解決に全力を傾注します」などと、一見、力強いようにも見えるが、「全力」という言葉を使ってお茶を濁している。

注目すべきは、これだけ日本を脅し続けている中国を名指しで批判する記述がまったくないことだ。本気で国民を守るつもりがあるのだろうか。

日本維新の会は少し踏み込み、「集団的自衛権の行使や領海統治などを定める国家安全保障基本法の整備」「法と正義の主張(国際司法裁判所の活用~尖閣については中国に国際司法裁判所への提訴を促し、同裁判所で日本の主張の正当性を勝ち獲る)」などしているが、基本的には受け身の対症療法である。

一方、ほとんどマスコミが報じない幸福実現党は、具体的で本気で国民を守ろうという気概にあふれている。「憲法9条を改正します」「中国、北朝鮮の核に対する抑止力を備えるため、非核三原則を廃棄し、核武装を行います」「日米同盟を強化し、集団的自衛権の行使を容認します」

憲法9条の議論から逃げている民主党は論外だが、国防軍創設を訴える自民党もアメリカ依存体質が抜けきらず、核武装を含めて自主防衛の策を探らなければならないという危機意識は薄い。やはり、国を守るということを真剣に考えているのは幸福実現党だけである。

2009年と同様に、北朝鮮にミサイルで脅されながら国防政策を選挙の争点にしないで逃げるなら、「遺憾」では済まされない事態が、近く日本を襲う危険性がある。国を挙げて、防衛政策を真剣に議論すべき時だ。(格)

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