アメリカの外交専門誌フォーリン・ポリシーがこのほど、「中国の経済データに深刻なねつ造の疑い」という記事を掲載したことを、レコード・チャイナが報じている。

記事は、中国経済に関する民間調査報告「チャイナ・ベージュブック」が発表され、中国の公式統計が、民間のデータであるベージュブックより1~3カ月遅れている可能性を指摘。さらに、「なぜかどの数字も非常にシンプルだ。たとえそれが正しいものだとしても、これほど複雑な中国経済を分析するのにこんな大雑把な数字でよいのか」としている。

また、中国の四半期統計がわずか2週間で集計されるのは驚くべきことで、同じ内容を米国で行うと1カ月はかかる。そのうえ細かい数字は今四半期から次の四半期に移るたび、つじつまが合わなくなっているという。

この記事は、中国の経済統計が実態に基づいていないがために関係国が誤った計画を立てることについて中国の責任に言及している。しかし、2009年に、それぞれの地方政府のGDPの合計と国のGDPが19兆円ほど異なるという指摘があったように、中国自身も自らの誤った統計により誤った政策を打ち出して混乱しているのではないか。

今月13日には、中国国家統計局が、2012年4月から6月期の国内総生産(GDP)の成長率が、前年の同期に比べ、7.6%となり、約3年ぶりに8%割れしたことを発表。失業者が増えることを恐れる中国政府がインフラ建設の推進を進めているなどの報道もされた。しかし、フォーリン・ポリシーなどの記事を考慮すると、中国経済はそれ以上に深刻化しているのかもしれない。

経済大国としての責任のみならず自国の安定的な経済発展のためにも、中国は情報の透明性を高める努力をすべきだろう。(居)

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