東京都が購入を検討している尖閣諸島3島(魚釣島、南小島、北小島)を、政府が国有化する方針を固めたことが分かった。6日に、政府高官が都庁を訪れ、石原都知事に伝えたという。7日付の朝日新聞が「尖閣、国有化の方針」との見出しで伝えている。

本来、領土問題は国の責任であり、尖閣諸島の国有化は方向性としては望ましい。しかし、懸念もある。記事によれば、「石原知事側が購入すれば中国を挑発して大変なことになりかねない。国が買い取った方が中国との関係をマネジメントできる」(政府高官)との判断があったというのだ。

今回の国有化について、野田首相は7日に「所有者と連絡を取りながら総合的に検討している」と表明(7日付日経新聞電子版)。しかし同日、石原都知事は、まず東京が買い取って国に引き渡す提案をしたと述べ、今回の国の対応を「単なる人気取りだろう。やることが粗雑だ」と批判している。所有者からは都知事に電話があり、「私は石原さん以外には売りませんから、安心してください」と言われたという(7日付毎日新聞電子版)。

大川隆法・幸福の科学グループ創始者兼総裁は、5月13日の説法「宗教立国の実現」で「間もなく、沖縄県民が度肝を抜かれるようなことが起きるだろうと思います」と説いている。この"度肝を抜かれる"事態として考えられる一つが、中国による尖閣諸島の軍事占領だ。

これまで日本政府は、「尖閣諸島に領土問題は存在しない」という姿勢だった。にもかかわらず、石垣市長や市議が固定資産税のための実地調査や環境調査のため尖閣諸島への上陸を申請しても、外交的配慮から許可を出してこなかった。こうした弱腰な「配慮」が、かえって有事を呼び込む可能性がある。

政府は、今後いかなる事態が起きても、2010年9月の中国漁船衝突事件の時のように対応を二転三転させてはならない。領土を守れないのであれば国有化する意味がない。尖閣上陸を実現して実効支配を進めると共に、他国の圧力に屈することなく国有化し、また、尖閣諸島を守ることができる防衛体制を整えるべきである。(晴)

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2012年4月23日付本欄 【そもそも解説】尖閣諸島買い取り問題

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