北朝鮮は13日午前、長距離弾道ミサイルを発射したが、1分余りで爆発し、黄海上に落下した。

本誌は11日にある軍事専門家を取材した際、「1段目のロケットはノドンミサイルを4基束ねたもので、この制御が北朝鮮はできていない。必ず失敗する」という話を聞いていた。このため、この専門家の見識のほうに大きな驚きを感じた(そのインタビューは今月末発売の本誌6月号に掲載)。

今回のミサイル発射は、朝鮮労働党第1書記に続き、国家の最高ポストの国防第1委員長に就いた金正恩氏に対する「祝砲」の意味があった。ミサイル発射の成功によって金正恩氏の神格化を図り、忠誠を集める狙いだった。多くの識者の見方は「金正恩体制が揺らぐほどのアクシデントはない」というものだが、果たしてそうだろうか。権力継承プロセスに支障が生じてくると見たほうがいいだろう。

12日に韓国のシンクタンク「北韓戦略情報サービスセンター」が、金正日総書記の「遺言」だとする文書を公表した。これによると、(1)核、長距離ミサイル、生化学兵器を絶えず発展させ充分に保有する。(2)合法的な核保有国として堂々と立ち上がる。(3)金正恩を、党では金敬姫と張成沢、崔竜海……、軍では……李英鎬……が責任を持って補佐する。(4)遺言内容を読む瞬間から1年内に金正恩を最高職責に上げること。否定的な見解と立場、現象等に対しては容赦なく処理すること。党、軍、保衛(司令部)を始め、重要機関は、金正恩の安全と安寧を命で守ること――と書かれている。

これが本物の遺言だとすると、正恩氏の後見人の張成沢・党行政部長や金敬姫・党書記のほか、李英鎬・軍総参謀総長、崔竜海・軍総政治局長に権力が集中するなか、それに対抗するグループを「容赦なく粛清せよ」と命じている。金正恩体制はやはり極めて不安定なのだ。

大川隆法・幸福の科学総裁は『北朝鮮 終わりの始まり』の中で、こう述べている。「私の予想では、二〇一二年が、北朝鮮の崩壊の年かもしれません。北朝鮮を崩壊させるなら、二〇一二年です」

同書あとがきでは、こう指摘した。「北朝鮮の悲劇は、何としても終わらせなくてはならない。二〇一二年がその『終わりの始まり』となるであろう。次の指導者・金正恩の将来は、良くて武田信玄なきあとの武田勝頼型の最期だろう。蛮勇が裏目に出て滅びへの道を早めるのではないか。悪ければ、イタリアのファシズム体制の最期、独裁者ムッソリーニのように民衆から石つぶてを投げられながら、木からロープでつるされることになるのではないか」

ミサイル発射の失敗は、まさに北朝鮮崩壊の始まりである。(織)

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