日本最西端の沖縄県・与那国島で17日夜、自衛隊配備に向けた住民説明会が開かれ、防衛省側から自衛隊の沿岸監視部隊を配置する候補地など、初めて具体的な計画案が正式に示された。

防衛省が与那国島に配備を予定しているのは、レーダーなどで付近を通過する船舶や航空機を24時間監視する「陸上自衛隊沿岸監視部隊」と、移動式の警戒管制レーダーを展開する「航空自衛隊移動警戒隊」。島の中央部と西岸部が候補地となっている。

同省は、すでに来年度の概算要求に15億円を計上しており、2011年度中に用地を決め、12年度末から造成工事を始め、15年までに部隊の配置完了を目指している。

だが、この日の説明会は冒頭から大荒れで、防衛省側が説明に入ろうとした途端、反対派の住民が次々と立ち上がり、「やり方が間違っている」と大声を上げて激しく抗議。賛成派の住民が、「説明を聞くべきだ」などと反論し、場内は一時騒然となり、その後、反対派は退席した(18日付八重山日報)。

昨年10月、筆者は与那国島を取材で訪れたが、そのとき出会った反対派の30代の男性の言葉が今でも忘れられない。「俺は誘致に反対だけど、国防上、自衛隊が本当に必要なら、国は頭を下げて強制的に置けばいい。俺たちはずっとこの島に住み、子や孫もずっとこの島で生活していく。国が判断すべきことを地元に押しつけるのは政治家の無責任だ。いたずらに島民を喧嘩させるな! そう思わないか?」

野田政権は、政府家の無責任が国民を混乱に陥れることを肝に銘じて、粛々と与那国島への自衛隊配備を進めてほしい。(格)

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