トヨタ自動車は、東日本大震災の影響で一部の部品が十分に調達できないことから、北米14カ所中13カ所の工場で15日から25日までの間で4~5日間生産を停止する。今回の生産停止を含むこの約1カ月半の減産台数は計3万5千台に上る見通し。だが一方で、国内では、部品の調達状況は完全に戻ったわけではないが、グループ全17工場で18日から27日まで生産を再開する。

また、6日、米マイクロソフトの出資を受け入れて、次世代スマートグリッド(電力網)技術に関連したソフトを共同開発することを発表した。8日には日本マイクロソフトと共同記者説明会を行い、提携の狙いと取り組みについて説明した。トヨタは電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド車(PHV)を日米で来年から本格販売するが、新サービスでは、スマートフォンを使ってEVやPHVの電池残量を表示したり、充電開始時刻を設定したりできるほか、電池残量での移動可能距離を表示して充電スポットを提示したり、ドライバーの走り方に合わせた燃費効率を高める方法を表示することもできる。将来は、自動車を家庭用電源として使えるようにすることも検討するという。

震災で経済的ダメージばかりが訴えられるなか、新たな技術開発に乗り出しているというニュースは日本に希望を与えてくれる。震災の影響から完全に復活するにはまだ当分時間はかかるが、それでも前に進んでいく強さが日本にはある。(吉)

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