東日本大震災で、菅直人首相は13日、被災地への自衛隊の派遣態勢を10万人規模にするよう指示した。1995年の阪神・淡路大震災時の5~6万人規模を上回る過去最大規模の態勢である。

被害の大きさからすれば妥当な判断という指摘がある一方、侵略行為が懸念される中国や北朝鮮へのけん制が手薄になるという意見もあるが、ここで問いたいのは民主党政権の「国防」に対するスタンスだ。

記憶に新しいのが昨年11月、仙谷由人・官房長官(当時)が参院予算委員会で行った「暴力装置である自衛隊」という発言だが、そもそも民主党には、「自衛隊は違憲」と宣言した旧社会党出身者が多く、自衛隊に対して否定的な考えが強い左翼政権である。また、ネット上では、節電啓発担当相の兼務が決まった蓮舫・行政刷新担当相に対し、昨年の事業仕分けで「スーパー堤防事業」「学校耐震化予算(後に復活)」の削減を決めたことへの批判的な書き込みが目立っている。

これらの事実は、民主党政権に国民の生命、財産、安全を守る「国防」意識が欠如していることを示している。ネットの書き込みなどは、民主党政権の国家観の希薄さに対するいらだちとも言えるだろう。

ただ、その政権を選んだのもまた、国民自身であるという現実を忘れてはいけない。被災地の方々へのお見舞い・お悔やみの気持ちと、自衛隊や警察、消防や各自治体職員など救出活動に取り組む方々への支援の思いを持ちつつ、私たちは「国を守る政治」を選ぶ責任の重さについて今一度考える必要がある。(格)

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