米カリフォルニア大学バークレー校のベアリー・エイチェングリーン教授が、11日に論説掲載サイト・プロジェクト・シンディケートへの寄稿で、近いうちに中国に不況がやってくるだろうと予測している。

教授は急成長国の経済減速のパターンを研究した結果、一人当たりの収入が$16,500(2005年米ドル)に達したとき景気後退が起こっており、10%成長でいけば中国は2014年にもそれに到達するという。

もちろんこの数値は絶対ではなく、教授によればいくつかの要因が実際の結果を左右する。高齢化の進む国では早く不況に見舞われやすいが、一人っ子政策を採ってきた中国はいずれその領域に達する。製造業の雇用が全体の20%に達するとサービス業への転用が必要になり、生産性の向上が鈍るが、中国経済は既にその域にある。また通貨が過小評価されている場合にも、イノベーション中心の経済構造に移行した後に通貨安の効果が減るほか、輸出向け製造業の設備過剰が起こるため、景気後退の可能性は高まるという。

金融危機後は政府の財政出動に支えられた中国経済だが、インフレや住宅価格の下落、大卒者の大規模な就職難などの現象は景気後退の兆候とも思える。資本主義体制というのはいずれ不況の洗礼を経ねばならないが、筆者の述べるとおり問題はそれが本当にいつ起こるかであろう。「世界は中国の景気後退への準備があるか」と結論部分で教授は問いかけるが、不況によって社会不安が拡大し共産党政府の威信が揺らぐ事態になれば、反政府デモの拡大や組織化などの政治的な動きにも注意が必要と思う。

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