中国が南シナ海での覇権を強めようとしているようだ。

2日付の日本経済新聞によると、中国海軍が南シナ海に浮かぶ海南省三亜市(海南島)の基地を増強している。埠頭を新しく建設し、高性能のレーダーを備えた新型のミサイル駆逐艦など主力艦を停泊させたり、新型潜水艦の配備も進めている。2008年には三亜の楡林湾にある基地に、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を搭載できる「晋」級の原子力潜水艦を配備し、隣の亜竜湾でも潜水艦用基地の整備が進んでいる。

中国軍事専門家の平松茂雄氏は、山東半島の青島と沖ノ鳥島近辺、それにこの海南島の各頂点を結ぶ三角形の海域において、中国海軍は制海権を握ろうとしていると指摘している。中国にとって、太平洋に出るにはここの制海権がどうしても必要なのだ。

尖閣諸島ばかり「虫の目」で見ていると、南シナ海までは日本人の意識には入らないかもしれないが、この三角形を「鳥の目」で見ると、沖縄はすっかりその中に入っている。いま、その三角形の一点で基地を増強しているということは、いよいよ本格的に中国がこの制海権を手にしようと乗り出してきているのであり、日本はそれを自覚して沖縄、尖閣諸島を守る体制を固めなければならない。(吉)

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