いよいよ菅再改造内閣が、「共通番号制度」に向けた検討を本格的に始めた。

政府が24日に開いた「社会保障・税に関わる番号制度に関する実務検討会」では、座長の与謝野馨経済財政担当相がこう発言。「(番号制度は)社会保障制度改革に不可欠だ。秋には法案化というスケジュールにのっとって作業を強力に進めてほしい」。月内にも基本方針を策定するという。

番号制度導入の狙いは、所得の正確な把握にある。そうすれば不正申告(所得隠し)を防ぐことができ、年金給付や生活保護などの社会保障も正確に行き渡らせることができる上、事務処理も効率化できるというわけだ。

しかし、これは税金を取る側の理屈でしかない。給与所得だけでなく、預貯金、借金、株取引などの収入や年金の給付額などをすべて政府によって把握されるということの意味をもう少し深く考えた方がいいだろう。逮捕、徴税、強制執行、強制収用、差押えといった権力を持つ政府に、「財布と金庫の中身」を晒すべき必要が本当にあるのかどうか。財布と金庫の中身を晒しても、お上は決して非道なことはしないという保証はあるのか(私有財産を侵害するのは政府自身である場合が多い)。

一応、プライバシー保護の問題を検証する「個人情報保護」の作業部会を設置する方針というが、アリバイ的な作業に留まってしまう懸念はないか。国家による監視社会への道を開くのであれば、共通番号制の導入は慎重であるべきだろう。(村)

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