自分で考えない橋下市長 「民意」がすべてなのか?

2012.05.06

北海道の泊原発3号機が停止し、日本国内50基の原発がすべて停止状態となったが、政府は、福井県の大飯原発3、4号機(関西電力)の再稼働を目指す。しかし大阪市の橋下徹市長をはじめ、滋賀県の嘉田由紀子知事、京都府の山田啓二知事など近隣の知事が強行に反対している。

この問題に関して、テレビ大阪で5日放映された番組「たかじんNOマネー」に橋下市長と松井一郎大阪府知事が出演し、レギュラーコメンテーターたちと激論を交わした。中でも独立総合研究所社長・青山繁晴氏は「大阪府市のエネルギー戦略会議には、テロ対策も含めて(そういう視点が)ない」と苦言を呈した。

しかし、橋下・松井両氏の主張はその部分ではかみ合わない。橋下市長は「(政府や電力会社に対して)有権者の声を背景に迫るしかない。自立する個人、責任を取る個人ということからすれば、府県民の皆さんが、計画停電や電気料金値上げも覚悟する、と言うなら、私は政府や電力会社と戦いますよ。どうですか、皆さん、計画停電していいんですか?」とまくしたてながら、出演者全員を指さして問いかける。

「日本の経済を弱くするから、それはダメだ」と青山氏が反論すると、「じゃあ、原発はやっていかなきゃいけないって話になるし、それは国民の皆さんに(決めてもらうことだ)」と言う。これが、橋下市長がよく口にする「民主主義的な手続き」というものの姿なのだろう。

白か黒か多数決を取って、多い方の意見を民意・国民の総意と位置づけ、自分の主張を押し通してゆくということか。学級会で、多数決で決めたことに対して、もし後で問題が起きても「だって、みんながいいって言ったじゃないか。嫌なら賛成しなければよかったんだ」とうそぶく子供の姿がダブって見える。

国民が判断するためのデータや理論を示さず、きちんと価値判断もしないまま、機関銃のように発される橋下氏の言葉に、われわれは「騙されちゃいけない」のではないだろうか。〈宮〉

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