ミャンマー軍事政権に顧客情報を提供し、弾圧をほう助していたノルウェーの通信大手に家宅捜索 ─ 中国製監視システム導入で「中国化」するミャンマー

2026.09.18

《ニュース》

ノルウェーの警察当局はこのほど、同国の通信大手テレノールが、ミャンマーの軍事政権に顧客データを繰り返し提供し、人道に対する罪をほう助した疑いがあるとして捜査を開始しました。

《詳細》

ノルウェー警察は15日、テレノールが2021年2月の軍事クーデターから、2022年3月にかけて、顧客の通信データを軍事政権に繰り返し提供し、制裁となっていた監視機器を売却するなど人権弾圧に加担していた疑いで告発したと発表しました。同日、ノルウェー内にある本社を家宅捜索しました。

人権団体によると、クーデター後の1年間で、ミン・アウン・フライン将軍率いる軍事政権は1500人以上の国民を殺害し、1万2000人以上を逮捕したといいます。その間、同国内最大の通信大手であるテレノールは1200人以上の活動家の携帯電話に関するデータを軍事政権に提供し、追跡・投獄・殺害することを可能にしたといいます。

事例の一つが、民主化指導者アウンサン・スーチー氏が創設した国民民主連盟(NLD)の元下院議員で、人気ヒップホップ歌手だったピョー・ゼヤ・トー氏の例です。テレノールは軍側に、同氏の電話番号に関する通信データを要求され、拘束される可能性が高いと認識しながらも提供。その後、トー氏は逮捕・処刑されました。

また、テレノールは2022年3月にミャンマーでの事業を軍事政権と繋がりのある企業に売却して同国から撤退。その結果、ミャンマー人利用者1800万人の顧客データと国内最大の通信インフラが完全に軍事政権の支配下に入りました。軍事政権はその後、デジタル弾圧をさらに強化していきます。

これを受け、市民団体「ミャンマーのための正義」をはじめ複数の市民団体は、2024年12月から複数回にわたってテレノールを提訴。2026年4月には、スウェーデンの非営利団体がミャンマー人利用者を代表してノルウェーで集団訴訟を起こしました。

「ミャンマーのための正義」は、今回、遂に警察による告発が行われたことを歓迎し、「テレノールがミャンマーで引き起こした深刻な被害と、危険な撤退行為に対する今回の告発を歓迎する。これにより、最終的に責任追及につながることを期待する」と述べました。

一方、テレノール側は、軍からの顧客情報の提供を拒めば、現地従業員が投獄や拷問を受ける可能性があったと説明。今月15日の声明で、「現実的な選択肢はなく、従業員の生命を危険にさらすことはできなかった」とし、捜査に全面的に協力するとしています。

《どう見るか》

続きは2ページ目へ(有料記事)


タグ: 中国  軍事政権  人権弾圧  顧客データ  ノルウェー  監視  独裁  クーデター  ミャンマー 

「自由・民主・信仰」のために活躍する世界の識者への取材や、YouTube番組「未来編集」の配信を通じ、「自由の創設」のための報道を行っていきたいと考えています。
「ザ・リバティWeb」協賛金のご案内

YouTubeチャンネル「未来編集」最新動画



記事ランキング

ランキング一覧はこちら