米中間選挙に向けて選挙不正を防げるか ─ 中東外交を進め中国を抑え込むトランプ【─The Liberty─ワシントン・レポート】
2026.08.03
11月3日の米中間選挙が3カ月後に迫る中、トランプ米大統領は半年以上に渡って、選挙不正防止法案「セーブ・アメリカ法案(SAVE America Act)」の可決の必要性を繰り返し主張し続けている。
同法案は、連邦選挙の有権者登録時と投票時に、アメリカ人であることを証明する身分証明書の提示を義務づけることを中心としたものだ。日本のような戸籍制度もないアメリカでは、民主党支持者を含め、全体の8割以上の有権者が身分証明書の提示を支持しており、何も問題がないはずだ。ところが、上院議会で、民主党議員の反対により審理は止まったままだ(下院では2月に可決済み)。
やむをえず、現在共和党は、2027会計年度の国防権限法案(NDAA)に選挙不正防止法案の一部を組み込む形での法案の成立を目指している(7月22日に下院で可決。上院で可決されれば、大統領がサインして成立する)。
トランプ氏は、急遽行った7月16日の全国民向けスピーチで、2020年の大統領選を含めて、アメリカの選挙システムがどれほど脆弱で信用できないか、中国がどのように米大統領選に介入してきたか、そして、アメリカの過去の情報機関などの「ディープステート」がそれらを隠蔽してきた事実などについて力説した。特に、中国が2億件以上の有権者データをハッキングして悪用してきたことなどについて繰り返し主張し、選挙不正防止法案の可決を急ぐべきだと主張した。
トランプ氏のスピーチの直後に、ホワイトハウスは公式ページで、トランプ氏の主張を裏付ける情報機関(主として中央情報局(CIA)、連邦捜査局(FBI))による、以前は隠蔽されていた情報を公開した(https://www.whitehouse.gov/election-integrity/)。
中国のハッキングや介入は、2020年の大統領選直後のジョン・ラトクリフ国家情報長官が強く主張していたことでもある。当時は、国家情報長官室の下部組織のCIAが協力せず、中国の選挙介入について公式に発表することができないまま、トランプ政権からバイデン政権に移行した。当時ラトクリフ氏は非常に悔しい思いをにじませ、「中国の介入は明らかであった」というレターを発表して辞任した。
ニュージャージー州で外国人6600人が選挙人名簿に登録され、400人が投票
トランプ氏のスピーチの後、多くの州が自主的に調査を行い、7月21日に、ニュージャージー州のシェリル知事(民主党)は、自州で約6600人のアメリカ市民権を持たない外国人が選挙人名簿に「エラー」で登録されていたことと、実際に約400人の外国人が投票したことを発表した。
しかし、翌日、ニュージャージー州の委託ソフトウェア業者は、声明を発表し、外国人の登録は、ソフトウェアの「エラー」ではなく、ニュージャージー州が承認していたと反論した。
また、アラスカ州も自主的に調査し、3048人の外国人と思われる登録を選挙人名簿から削除したと発表した。
アメリカでは、州ごとに選挙システムが管理されており、各州の選挙人名簿の管理は極めて杜撰で、州を跨いで引っ越した人を追跡することもできず、名簿に何十年も残っているような状況だ。さらに、アメリカの選挙制度は、不正改ざんやハッキングの危険性を指摘されているタッチパネル式電子投票機械と、不正を容易にする「郵便投票」に極端に依存しており(特に民主党が優勢な州)、日本では想像もできない極めて信頼性の低いシステムと言える。
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