2026年4月号記事
復活のブーニンとショパン
音楽を通して「真理の種」をまく
試練を超えて魂を輝かせた天才ピアニストの心の軌跡を追う。
2月20日、映画「ブーニン 天才ピアニストの沈黙と再生」が公開された(「ブーニン 天才ピアニストの沈黙と再生」 ─ ザ・リバティ Pick Up Movie 参照)。
スタニスラフ・ブーニンは1985年に19歳でショパン国際ピアノコンクールを制し、世界の注目を集めた。
旧ソ連から亡命してドイツと日本に住居を持ち、各国で演奏会を開いたが、2013年10月に左手が麻痺し、表舞台から姿を消してしまう。その後、左足の手術もあって演奏再開までに10年の歳月を要した。この映画は奇跡のような復活を遂げたピアニストの知られざる苦闘の軌跡を追った作品である。
左手の麻痺と左足首の手術
当時を回顧する言葉は痛々しい。
「ショパンを弾く時は、呼吸するように左手を自然に動かさないといけないのですが、それができなくなってしまいました」「鍵盤から伝わってくる振動や、弦の反響を、肉体の感覚として捉えられなくなるというか……。まるで身体の一部が失われていく感じです。生まれて初めての経験でした」(*1)
(*1)小堺正記+NHK取材班著『ブーニン 天才ピアニストの沈黙と再生』(東洋経済新報社)。「石灰沈着性腱板炎」は肩腱板内に付着した石灰(リン酸カルシウム結晶)による炎症。
苦節十年 逆境から甦る
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column /「祈りの人」ショパンの素顔






















