安倍新内閣で経済産業相に就任した茂木敏充氏は27日、就任後初の記者会見で「原子力規制委員会が安全を確認した原発は、政府の責任で再稼働を決めていきたい」との考えを示した。

茂木経産相は、2030年に原発ゼロを目指すとする民主党政権時の方針について「再検討が必要」との考えを示した。また、原子力規制委員会が安全基準を制定する来年7月以降、全国で順次、原発再稼働を求めていく方針だ。

茂木氏は、すでに着工している3つの原発について建設を容認する考え。計画済みで着工前の9基も白紙に戻して建設を検討する予定だ。核燃料サイクル政策も「いま放棄する選択肢はない」として、継続していく予定。民主党政権は原発の新増設を「認めない」とし、使用済み核燃料を再利用する核燃料サイクル政策を見直すとしていたが、これについても方針転換される見込みだ。

安倍首相もこれまで、「原発ゼロは無責任」として、電力供給の安定のためにも脱原発を批判してきた。ただし自民党は、衆院選では原発再稼働の可否について「3年以内の結論を目指す」としていた程度だった。「安全性が確認された原発は再稼働する」と明確に主張していたのは幸福実現党だけである。大川隆法・幸福実現党創始者兼名誉総裁は衆院選中の今月12日、経済産業省前の街頭演説で「経済産業省、何をやっとるか! 原発推進しろ!」と経産省を叱責した。今回、茂木経産相がはっきりと原発推進を主張した背景には、これら幸福実現党の主張が影響していると考えられる。

懸念されるのは、各原発の安全性の確認について「原子力規制委員会に委ねる」としている点だ。原子力規制委は、敦賀原発に引き続き東通原発の敷地内に活断層があると認定し、安全性を認めていない。今後も各地の原発で活断層の存在を根拠に再稼働を「規制」していくとみられる。

だが、本誌が再三伝えているように、必ずしも活断層がある場所で地震が起きるわけではない。日本で大地震の揺れ自体が原発の重大事故につながった例もなく、日本の原発技術は世界一のレベルだ。原子力規制委が、阪神大震災や東日本大震災の予測ができなかった地震学(あるいは変動地形学)に基づき、原発を動かさない方向の判断を繰り返すのは、単に万一の場合の責任を問われたくないからではないか。政府はそんな規制委の判断に縛られることなく、主体的に原発再稼動を進めるべきだ。(晴)

【参考記事】

2012年12月27日付本欄 東通原発「活断層の可能性」 無能な地震学者と政治家が日本を衰退させる!

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=5391

2012年12月9日付本欄 「脱原発で国滅ぶ」 原発推進は幸福実現党だけ

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=5260