民主党の代表選挙が25日行われ、海江田万里・元経済産業相が、馬淵澄夫・元国土交通相を破って当選、新代表となった。だがその選ばれ方を見ると、民主党は1か月前まで与党であったというのがウソのような醜態ぶりだ。

民主党は、野田佳彦首相の大見得を切っての「解散」が完全に裏目に出て、今回の衆院選で歴史的大敗を喫した。当然ながら、野田氏は代表を降板。22日に次の代表を決める手はずだったが、党内部から「総括が終わってないのに、拙速だ」との声に押され、25日に延期になった。

その過程で、岡田克也副総理、前原誠司国家戦略担当相、細野豪志政調会長といった有力候補が次々と辞退し、結局、海江田氏と馬淵氏の2人の対決となった。有力幹部が「火中の栗」を拾うのを避けて逃げ回るところに、この党の無責任ぶりが表れている。

もともと民主党は、右から左まで主義主張の違う人たちの寄せ集めで、「万年野党」の立場で自民党批判ばかりしてきて、政権担当能力などなかったのだ。にもかかわらず、小沢一郎氏という選挙の名人を得て、マスコミの後押しもあって、2009年の歴史的な「政権交代」となった。しかし、その後の迷走ぶりを見れば、本来なら与党として半年も持たないレベルであったことは周知の事実だ。

それが3年半も政権を維持できたのは、衆院選での308議席も得るという、分不相応な大勝をしたため、容易に野党が攻め込めなかったことが大きい。一回の選挙の選択が国を危地に陥れるという見本のような3年半だった。

それにしても、海江田氏は今回の衆院選では小選挙区に立候補して落選、比例に重複立候補していたため辛うじて国会議員の地位を保った、いわば「半落選」組だ。選挙で国民の信を得ていない人を代表に選ぶという神経は、この党が民意をくみ取ろうとしていないことの証左だろう。(仁)

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