26日に発足する安倍新政権に対し、他紙と比べて朝日新聞が、早くも批判一色になってきた。3年半前の民主党政権誕生時の歓迎モードとは大変な違いで、前回に続き今回も安倍氏を「撃ち落とそう」との意思が感じられる。

19日付朝日新聞は、一面に編集委員による「高成長の幻を追うな」と題するコラムを掲載。財政出動と金融の量的緩和を行ういわゆる「アベノミクス」について、「量的緩和政策はデフレ解消や成長促進への効果が薄く、副作用が大きい」「安倍氏には、『名目3%成長』という人口増時代の高い潜在成長率の感覚があるようだ。日本が人口減少の成熟社会となった今、そこにこだわれば、政策のゆがみは大きくなる」などと批判している。

同じく社説では、自民、公明両党が公共事業を増やす大型の補正予算の編成で一致したことを、「景気のてこ入れには公共事業が手っ取り早い。そんな旧態依然とした発想だと言わざるをえない」「来夏の参院選を意識したバラマキなら論外だ」などと、こちらも批判。

また「週刊朝日」12月28日号の表紙は、安倍氏の勝利の笑顔を載せつつ、メインのコピーは「自民圧勝でも安倍政権の不安」。中身の記事タイトルも「安倍リバイバル政権の不安」とし、記事の結びは「不安に包まれたまま、『安倍丸』は7ヵ月の航海に出た」と、まるで安倍政権の命が来年7月の参院選までと決まっているかのような書き方だ。

朝日新聞社のこうした「安倍降ろし」的な書き方は、前回の安倍政権のときも顕著だった。それについては9月に出たある本(注)の中で、「朝日新聞の社内で、朝日の幹部が『安倍の葬式はうちで出す』と言っていた」という内容が書かれている。幸福の科学の大川隆法総裁は9月20日、朝日新聞・若宮啓文主筆の守護霊の公開霊言を収録するに先立ち、この本の記述に触れてこう述べた。「朝日は、自民党の総理が誕生したら、おそらく、また、同様のことを決めるであろうと思います」

それに続く霊言で若宮主筆の守護霊は、「朝日の総意がそう(=安倍降ろし)だったということだ」と認め、「安倍の再登板はない。やっぱり、これは許せない。絶対に許せないな。せっかく“葬式"を出したのに」「(自民党の新総裁や次の首相が)安倍だったら、前回の続きだから、やっぱり、責任放棄した、その無責任なところを追及するところから始めなければいけないだろう」などと語った。

すると朝日は、今回の衆院選が明けた17日(月)の社説で、「安倍氏の責任は重大だ。前回、体調を崩したとはいえ、結果として1年毎の首相交代の幕をひらいた。同じ轍をふんではならない」と書いた。まさに、上記の若宮守護霊の「前回の続きだから、無責任なところを追及するところから始める」という念いが、そのまま現実化している。

ただ、党内代表戦に勝利して安部氏が首相の座に就いた前回とは異なり、今回は民意が安倍総裁の自民党を選んだ。その民意をくつがえそうとすれば、思わぬ反作用が朝日側に及ぶことも考えられる。国民は朝日メディアの「安倍降ろし」に安易に乗せられることなく、冷静に見守る必要がある。(司)

(注)『約束の日 安倍晋三試論』(小川榮太郎著・幻冬舎刊)

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2012年9月27日記事 朝日新聞主筆 若宮啓文守護霊インタビュー

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=4944