衆院鹿児島3区補欠選挙が28日に投開票され、自民党の元衆院議員の宮路和明氏(71、公明党推薦)が当選を果たした。

今回の補選は、国民新党の松下忠洋前金融担当相の死去に伴って実施されたもので、野田政権発足後初であると同時に、自民党安倍総裁就任後初の国政選挙として注目を集めた。自民党が接戦の末、国民新党の野間健氏(54歳、民主党推薦)を破って補選3連勝としたことで、次期衆院選に向けて弾みをつけた形だ。共産党の大倉野由美子氏(62歳)と幸福実現党の松沢力氏(30歳)は支持を伸ばせなかった。

今回の選挙の争点は、川内原発の再稼働問題だった。接戦を演じた宮路氏と野間氏は、再稼働に関して「消極的賛成」のスタンス。それぞれ「国による安全性の担保を大前提として、再稼働を認めることはやむを得ない」、「我が国の最高の知見によって安全性が確認されれば再稼働を認めるべき」と、やや歯切れの悪い条件付き賛成だった。共産党の大倉野氏は「即時原発ゼロ」、幸福実現党の松沢氏は「即時再稼働」と明確なスタンスを打ち出していた。

幸福実現党の立木秀学党首は、選挙結果を受けて「『川内原発は早期再稼働すべき』と主張する松沢候補には、原発再稼働を望む数多くの切実な声が寄せられました。当選は果たせなかったものの、松沢候補の『正論』は地元有権者の皆様に届いた」としている。

今回の補選では、震災以降は世論が反原発一色に染まりつつあったにもかかわらず、4人の候補者のうち3人までが原発の再稼働を訴えた。その意味で世論は確実に変わってきている。

民主党政権が誕生して三年以上が経つが、ここに来て、ようやく何が正論だったのかが明らかになりつつある点、希望が見えてきたとも言えよう。(村)

【参考】

2012年10月29日付 幸福実現党プレスリリース 衆議院鹿児島3区補欠選挙の結果を受けて

http://www.hr-party.jp/new/2012/30242.html