三菱自動車が、脇見運転などで前方の車にぶつかりそうになったら自動でブレーキがかかる衝突防止装置「イーアシスト」を開発し、10月から搭載開始すると発表した。価格設定を富士重工業が採用している「アイサイト2」の10万円より低く抑える方針で、安全装置の価格競争が始まると6日付各紙が報じている。

自動車の衝突防止装置は、富士重工業が2008年に、2台のカメラを用いて衝突を防止する「アイサイト」を開発。搭載した同社の乗用車「レガシィ」などの売り上げに貢献しているという。

今回開発された三菱自動車の「イーアシスト」はレーダーを用いているため、「アイサイト」より安く抑えられ、また、夜間や霧など視界の悪い状況でも動作する。その代わり、人や二輪車など車両以外のものには対応していない。

最近はエコカー減税の宣伝が多かったが、次は安全装置での価値競争が始まりそうだ。

大川隆法・幸福の科学総裁は1994年の説法「青春に贈る」の質疑応答で、将来成長する分野についてこう答えている。

「製造業、メーカーなどの技術系統で考えると、安全性を高めるような技術に関連するところは、まだまだ伸びるのではないかと思います」「自動車事業は、死亡者数が年にせいぜい五人から十人にまで下がるぐらいに、自動車の安全性が高まらないと、未来の産業としては成り立たない方向に行くと思います」

95年に1万人を超えていた自動車事故の死亡者数が、2010年には5千人を切っている。自動車の事故数自体は5%しか減っていないが死者が半減したのは、エアバッグやチャイルドシート、また衝突防止装置などの搭載が一役買っているからだろう。

カメラ搭載により、車の自動走行も技術的には可能になっているとも聞く。自動車は便利さに目が行きすぎて安全性についてはあまり意識に上らないが、着々と安全技術は向上している。「かつて戦争なみに自動車事故で人が死んでいた」ということが、歴史として教えられる日が来るのかもしれない。(居)

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2012年5月4日付本欄 高速バスに衝突防止装置、義務付けへ 交通網の安全性を高めよ

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