尖閣諸島・魚釣島に19日、地方議員5人を含む日本人10人が上陸した。10人は2時間ほど島にとどまり、灯台に日の丸を掲げるなどした。

10人は、戦時中に魚釣島付近で起きた疎開船遭難事件の慰霊祭の参加者で、慰霊祭は、超党派の「日本の領土を守るため行動する議員連盟」(会長・山谷えり子参院議員)などが開催していた。政府に尖閣諸島の上陸許可を求めていたが、政府は拒否していた。

新聞報道によれば、沖縄県警は軽犯罪法違反容疑で事情聴取するというから、話がややこしくなっている。

日本の領土である尖閣諸島に、香港の活動家らが上陸したことに対しては、罪を問うことなく、強制送還で済ませた。

一方、日本の領土である尖閣諸島に、日本人が上陸したことに対しては、軽犯罪法違反の容疑で事情聴取をする。

政府の許可を得ていないのは、両方とも同じだが、片や事前に許可を求めず、一方はきちんと許可の申請をしていた。片や香港の活動家で外国人だが、一方は日本人。

日本人なら罪を問うが、外国だと本国に送り返すだけ。この矛盾した対応はどうだろうか? こういう対応にこそ、付け込まれる隙をつくっている。

そもそもなぜ、日本人に上陸許可を出さなかったのか。香港の活動家に対し、厳正な刑事手続きをしなかったのか。

毅然とした対応をとることができず、問題を先送りしてやりすごそうとした結果、付け込まれるべくして、付け込まれてしまったと言える。

尖閣上陸事件が発端となって、中国の数十の都市で反日デモが拡大しているというが、こういう時にこそ、筋道の通った対応が求められる。事なかれ主義や反発への配慮は、かえって事態を紛糾させるだけだ。政府には毅然とした対応を願いたい。(村)

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