沖縄の米海兵隊基地に配備される垂直離着陸輸送機「MV22オスプレイ」の配備阻止の声が大きくなっている。20日付の各紙が報じている。

同日付朝日新聞は、米空軍のCV22型を含むオスプレイの事故が2006年から5年間で58件起きていたことを報じている。

また、全国知事会は19日、高松市内で開かれた会議で、オスプレイの配備について、「安全性が確認できていない現状では受け入れることはできない」とする緊急決議を採択。岩国基地への搬入が予定されている山口県では、29日投開票の知事選でオスプレイが争点となっており、4人中3人の候補者が搬入に「反対」を唱えている。

そもそもオスプレイは、現在、沖縄に配備されている中型輸送ヘリ「シーナイト」に代わるもので、最大速度が2倍、搭載量は2・5倍、兵士や物資を積んで、途中の燃料補給なしで飛ぶ行動半径は4倍。尖閣はもちろんのこと、中国沿岸部や台湾にまで飛ぶことができ、中国の海洋進出を牽制できる。

オスプレイ問題は、当初、地元の沖縄以外ではあまり注目されていなかったが、いまや「全国区」。沖縄の「反米」の声がマスコミを通じて日本全体の声のように扱われ、アメリカとの間にすきま風を吹かせ始めている。

こうして見ると、オスプレイ問題は「第二の普天間問題」に見えてくる。いずれも、沖縄発の基地に関する問題で、日米の仲が悪くなって、喜ぶのは中国というオチである。「沖縄の反米運動は、裏で中国の工作員が支援し、米軍を追い出して日本侵略の足場を築こうとしている」という噂も絶えない。

オスプレイの危険性を訴える人々は、現在の中国の海洋進出について、日本はどう対処すべきか代替案を示すべきだ。アメリカに頼ることを拒否するなら、沖縄への自衛隊配備を強化するしかないだろう。(格)

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