唯物論の国の中国のネットでは、宗教関係の情報について厳しい検閲が敷かれているが、インドでは「宗教を冒涜する情報」に対してネット規制が始まろうとしている。

インドのデリーの裁判所はこのほど、グーグル・インド、フェイスブック・インドなどネット系企業に対して「ヒンズー教やイスラム教、キリスト教を冒涜する情報」を削除するよう命じた。

この命令は、グーグルやフェイスブックが利用者の書き込みを勝手に削除することになるので、表現の自由を著しく侵害するものだ。

いくら宗教の尊厳や信仰の価値を守るためとはいえ、行き過ぎの面がある。

他の国でも宗教を守るためにネット規制を行う国はある。トルコでは、国内外を問わず、ダーウィンなどによる進化論について書かれたサイトへのアクセスが制限されているという。

インドのネット利用者は全国民の8%程度だというが、人数では約1億人にのぼる。ほとんどは都市部の30歳以下の若者たちだ。

ネット上で、中国のように宗教の情報が排除されもせず、特定の宗教だけが過度に保護されることもない「中道」が求められる。

それは、宗教について情報統制が激しい日本のマスコミも同様だ。(松)

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2011年5月号記事 【東日本大震災特集】(3)マスコミは「情報統制」をやめ、世界標準に合った宗教報道を

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