2011年3月の東日本大震災で犠牲になった方々や遺族に対して、どんな言葉をかけることができるかは、宗教家として極めて大切な仕事の一つだ。

ローマ法王は4月、日本に住む7歳の少女に「なぜ子供たちはこんなに悲しまなければならないのですか」と質問され、「私も同じように、『なぜ』と自問しています。いつの日かその理由が分かり、神があなたを愛し、そばにいることを知るでしょう」と回答した。

8日付の読売新聞で、天台宗座主と高野山真言宗金剛峰寺座主の対談が掲載され、大震災について次のように語っていた。

半田孝淳・天台宗座主「震災後の5月11日に宮城県気仙沼市に行き、慰霊の法要をさせていただきました。無残な状態で、どうご同情申し上げたらよいか分からず、涙をこらえ手を合わせました」

松長有慶・金剛峰寺座主「山(高野山)にこもり、一人でも多く助かってほしいと祈り続け、未曾有の災難を受けた日本人がこれからどうしたら良いのか考えていました」「これからは、生活水準を低下させてでも、人間の利益だけを考えず、地球全体を考えねばならない」

特段のコメントはしないが、大川隆法・幸福の科学総裁の大震災後の説法を一部紹介しておきたい。

3月12日説法「諸行無常の風に吹かれて」

  • 仏や神を軽んずる風潮、唯物論的な風潮が勝利したと宣言しているときに、こうした天変地異が起きている。(中略)宗教的には天の警告だと見るべきです。

5月28日説法「魂の救済について」(仙台市内)

  • (※犠牲者に向けた言葉として)この世は仮の世であり、今、実在の世界に還ったのですから、何も後悔することはないのです。そちらの世界で幸福になることが、本来の生き方であって、この世は魂の修行の場であり、何十年か肉体を頂いて修行しているだけなのです。

5月29日説法「逆境の中の希望」(岩手県内)

  • 私は、「何とか、物事を積極的に大きく考えて前進させていきたい。今、精神的な主柱を立てることに成功すれば、この国は、まだまだ、発展、成長することが可能である。戦後に起きた奇跡を、もう一段、大きくしていくことは可能に違いない」と考えているのです。

説法の際は、被災者と直接質疑応答を行っているほか、3月15日説法「震災復興への道」や3月24日説法「貧乏神と戦う法」などで、復興ビジョンとその具体的な計画、必要な精神的態度などについて説いている。

ローマ法王、天台・真言宗座主の言葉と、大川総裁の説法を比べる中に、日本で今、何が起こっているのか読み取ってくれることを願う。(織)

【関連記事】

2011年4月24日本欄 僧侶の本分は「遺族に寄り添うこと」ではない

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=1820

【関連書籍】

幸福の科学出版ホームページ 大川隆法著『逆境の中の希望』

http://www.irhpress.co.jp/detail/html/H0322.html

幸福の科学出版ホームページ 同著『震災復興への道』

http://www.irhpress.co.jp/detail/html/H7009.html