北朝鮮メディアは19日、最高指導者の金正日総書記が、急性心筋梗塞を起こして17日に死亡したことを伝えた。69歳だった。三男・正恩氏を中心とした体制に移行するが、周辺国は、北朝鮮軍の挑発や人々の国外脱出など、想定される様々な危機に備えた。

北朝鮮と休戦状態が続く韓国では、李明博大統領が予定していたすべての行事をキャンセルし、全土に非常警戒態勢を発動。アメリカは、カーニー大統領報道官が声明を発表し、「朝鮮半島の安定と、同盟国の自由と安全保障に引き続き関与していく」と日韓両国の防衛を強調した。野田佳彦首相は、予定していた街頭演説を中止して、首相官邸に戻り、米・韓・中などの関係国との緊密な情報共有、不測の事態に備えた万全の態勢をとることなどを指示した。

一方、北朝鮮の"後見人"である中国は、外務省の劉為民・報道局参事官が声明を発表。「中国と北朝鮮は共に努力し、朝鮮半島の平和的安定を維持するために積極的に貢献する」と、金正恩体制を支える意思を示した。

この北朝鮮問題について、大川隆法・幸福の科学グループ創始者兼総裁は、ちょうど1年前の昨年12月19日、「『この国を守り抜け』講義」と題した法話の中で、2012年の米大統領選で共和党に政権が戻ることを念頭に、次のように説いている。

「私は『アメリカは、北朝鮮の問題を二〇一三年ぐらいまでに片付けようとするだろう』と見ています、つまり、『現在の金正日体制は(あるいは、金正恩体制になるかもしれませんが)、あと二、三年以内に終わりを迎える可能性が高い』と、今、私は判断しているのです。(中略)それは、アメリカにとって、中国の空母が就役する前にやらなければいけないことだからです。その準備はもう始まっていると思います」(『平和への決断』第6章、所収)

ただ、2012年以降もオバマ政権が続けば、これまでも大規模な軍事行動を避けてきたことからも分かるように、対北朝鮮政策についても融和的なアプローチを選択するかもしれない。

金正日氏の死去は、北朝鮮の「終わりの始まり」か。2012年を待たずして、すでに世界情勢が大きく動き始めている。日本はこの濁流に飲み込まれないように、憲法改正議論や国防力・日米同盟の強化を進めるなどして、自らの足で立ち、未来を切り開く決意を固めなければいけない。(格)

【参考書籍】

幸福の科学出版ホームページ 『平和への決断』(大川隆法著)

http://www.irhpress.co.jp/detail/html/H7010.html

【関連記事】

2011年12月号記事 2012年世界はこうなる 第1部-国際政治編(1) 岡崎久彦氏

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=3150