オバマ大統領が14日、イラク戦争の終結を宣言し、米軍がイラクから完全撤収することになった。

各メディアがさまざまに分析しているが、中東への石油依存度が下がったため、大規模な軍事駐留が必要なくなったという見方が多いようだ。

実際、2005年には石油の輸入が60%あったが、今は46%に下がっているという。最近の掘削技術の進歩で、シェール・ガスやシェール・オイルが安価に採れるようになったためだ。

石油の輸入元はカナダ25%、メキシコ11%、中東16%で、エネルギー安全保障の観点から、アメリカが中東から撤退していくのは、国益上、当然の動きということになる。

その一方で、オバマ大統領は「アジア重視」を打ち出し、海兵隊のオーストラリア駐留を11月発表した。これも南シナ海の航行の自由を守ったり、南シナ海で中国海軍が自由に動くのを避けたりして、アメリカの国益を守ろうという狙いだ。

特に、クリントン国務長官がこのアジア・シフトを主導しており、2020年にかけて変わらないアメリカのスタンスと考えられる。

不確定要素があるとすれば、オバマ大統領の考え方そのものだ。

オバマ氏は大統領に就任する前の2008年11月、その守護霊(潜在意識)がアメリカとして何を目指すのか語っている。

「イスラム教は悪い宗教ではありません。私は彼らと対話し、(テロを)止めます」

「将来、アメリカは『世界の警察』ではなくなるのです。どの国も自分の力で国を守るべきです。アメリカは今後どの国も武力攻撃しません。約束します」

オバマ大統領はアジアの海を守る姿勢を見せているが、その行動を見ると、オサマ・ビンラディン暗殺のときのような特殊部隊による急襲や、無人航空機による攻撃ぐらいしか実力行使をやっていない。つまり、大規模な軍事行動は極力避けている。

もしオバマ氏が再選されるなら、2期目は「世界の警察官をやめる」動きがはっきり見えてくることだろう。(織)

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2009年1月号記事 オバマ大統領・守護霊インタビュー

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2009年2月号記事 オバマ「悲劇」の転生【完全版】

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