福島県は9日、18歳以下の全県民約36万人を対象に、甲状腺の検査を始めた。

放射能による健康被害を心配する保護者の思いに応えたもので、福島県当局としては、県内の子供に甲状腺がんが発症する確率は低いと見ているという。

放射線と健康影響に関する専門家によると、福島県内の子供たちの甲状腺被曝はチェルノブイリ原発事故の1000分の1程度の線量。同事故では甲状腺がんで15人が死亡したとされるが(世界保健機関調査)、これはソ連政府が放射性ヨウ素に汚染された牛乳の出荷停止措置をとらなかったためだ。今回の福島の事故では、直後から安全策をとって牛乳などの出荷停止措置がとられている。つまり、福島の場合、甲状腺がんはまず発症しないと考えていいということだ。

それでもメディアは盛んに不安をあおり続けている。検査の模様を伝えるA紙の記事は、子供を持つ母親の声として、「いつになれば安心できるのか、いまだにわからない」「4、5年後、子どもに異常が現れてきたら、東京電力を絶対許さない」と言わせている。

以前の検査で「1ミリシーベルト未満の被曝」とされた男児を持つ母親が「子どもがかわいそうで、悔やみきれない」と涙を流した、とレポートしている。

100ミリシーベルト以下の被曝ならば、広島・長崎の原爆やチェルノブイリ事故などでも、健康被害が起きないと科学的に検証されている。

正しい知識を伝えないで、不安な状態のままにして放置しているこの記者は、人の不幸を楽しんでいるのだろうか。(織)