日米中など27の国と機構が参加する東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラムが23日、インドネシアで開かれ、南シナ海の安全保障などを盛り込んだ議長声明を採択して閉幕した。

この日までに同地で行われた国際会議で、南シナ海問題における中国のASEAN切り崩しが一定の成果を見せたが、同フォーラムでは、アメリカが日本や韓国、フィリピンやオーストラリアと連携して中国に国際法に則った行動を求めるなど、「米vs.中」を中心とした価値観の対立の構図が鮮明になった。

フォーラムの閣僚会議で、クリントン米国務長官は、名指しを避けたものの「領有権の主張は国連海洋法条約を含む国際法に基づいた形で行われるべきだ」と暗に中国を牽制。日本の松本外相も「この海域は日本にとっても重要で、国際法に準拠して問題を解決すべきだ」とした。また、中国と領有権で対立するフィリピンのロサリオ外相は「われわれは中国によって損害を受けている。(中国が主張する境界線は)国際法上、何の効力もない」として、この問題は国際裁判所で判断されるべきとした。

一方、中国は21日にASEAN諸国との外相会議で、南シナ海問題の解決に向けて「対話と協議を促進し続ける」という行動指針に合意。巧妙な立ち回りでASEAN側を切り崩し、合意には「多国間での解決」を盛り込まず、今後も「2国間での解決」を主張できる余地を確保した。23日の同フォーラムでも、楊外相は「中国は歴史的事実と国際法に基づき領有権を主張している。最も自己抑制してきた国だ。航行の自由を脅かしていると批判されるいわれはない」(24日付産経新聞)と反論している。

今回のフォーラムでは、アメリカと中国の対立の構図が際立ったが、利害関係者でもある日本は今後とも国際政治の場で、自由や民主主義、法の下の平等などの価値こそが大切であることを訴え、「中国のルール」では、世界に争いや混乱を広げることを主張し続けなければならない。(格)