いよいよ2012年の米大統領選挙に向けた準備が始まろうとしている。4日付の米紙ニューヨーク・タイムズなどは、元下院議長のニュート・ギングリッチ氏が、出馬の可能性を探る資金集めの動きを、共和党の大物では一番乗りに始めたと報じている。共和党支持層を対象にした2月23日のギャラップの調査によれば、現在のところ共和党公認争いは、元アーカンソー州知事のマイク・ハッカビー氏が18%でトップ、元マサチューセッツ州知事のミット・ロムニー氏と前回の共和党副大統領候補サラ・ペイリン氏がともに16%で続き、ギングリッチ氏は4番手につけている。

誰が共和党の公認を勝ち取るのか。3日付米紙ウォールストリート・ジャーナルには、米共和党の候補者選びに関わる二つの論説が載った。

ブッシュ政権で大統領次席補佐官を務めたカール・ローブ氏は、大統領候補は、財政規律と経済成長の両方をバランスよく訴えられる人物であるべきだと述べている。また、イギリス保守党の国会議員であるデビット・デービス氏は、党内での意見の対立という弱点について触れた。中間選挙では茶会運動が共和党躍進を助けたが、茶会支持派とそうでないグループとの間で、教育や社会保障などの分野での予算削減について見解が割れているのが例の一つである。デービス氏は、共和党は多様な考え方を合金のように集め、幅広い支持を集められるようでなければならないと述べている。

いかに広範な支持を集められるかが大統領選の鍵といえる。08年の大統領選の敗戦で壊滅したとまで言われた共和党だが、オバマ大統領の不人気もあってこの2年間で一気に息を吹き返した。近頃は経済指標の回復で望みをつないでいるとの見方もあるものの、支持率50%を割り込むオバマ氏の再選は実に微妙なラインであり、2012年の大統領選は混戦が予想される。

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