独首相がEUの政治統合宣言

2011.11.17

やっぱり言ってしまった。

14日、ドイツのメルケル首相が、キリスト教民主同盟の党大会で、EU(欧州連合)を政治同盟に発展させる考えを示した。事実上の「政治統合」宣言だ。

ユーロを導入したことによって、EUの17カ国は通貨を一つにしたが、財政政策は国ごとにバラバラだった。ギリシャ危機をきっかけに、各国の財政赤字の克服がうまくいかないことが明らかになり、財政政策も統合すべきだという声が上がっていた。

統合が不十分だから、ユーロ圏の経済運営が齟齬(そご)をきたしていると考えたわけだ。

しかし、金融に加えて財政政策も統合されれば、限りなく政治統合に近づいていく。従って、今回のメルケル首相の発言が飛び出るのは時間の問題だった。

これは見事な逆判断となるだろう。

ギリシャ危機によって証明されたのは、金融政策であれ、財政政策であれ、そもそも統合は無理だということだ。

しかし、それを認めたがらないEUは、逆に統合を強めることで、危機を乗り切ろうとしている。崖に向かって走る車が、さらにアクセルを踏んでしまったようなものだ。

その結果、ユーロ崩壊はさらに悲惨なものになる可能性が高い。(村)

【関連記事】本誌2011年11月号 ギリシャ危機は収束するか これは「EU終わりの始まり」だ

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=3142


タグ:

「自由・民主・信仰」のために活躍する世界の識者への取材や、YouTube番組「未来編集」の配信を通じ、「自由の創設」のための報道を行っていきたいと考えています。
「ザ・リバティWeb」協賛金のご案内

YouTubeチャンネル「未来編集」最新動画



記事ランキング

ランキング一覧はこちら