心停止ドナーからの心臓移植実施の検討が始まる ─ しかし、「心臓が止まった時」はまだ、人間の本当の「死」の瞬間ではない
2026.06.20
《ニュース》
日本心臓移植学会が、心臓が停止して死亡した人から提供された心臓の移植実施に向けての本格的な検討を始めました。臓器を提供するドナー不足を解決することを目指しての施策です。
《詳細》
日本国内では、心拍や呼吸の停止を医師が確認して死亡宣告をした後で臓器提供を行う心停止ドナーが提供できるのは腎臓や膵臓、角膜のみで、心臓移植は脳死のドナーからしか行われていません。摘出までの時間がかかるため、移植に適した状態が保てないとされてきたためです。
しかし、脳死臓器提供者は不足しており、脳死者からの提供は2025年度で126件にとどまる一方、国内で心臓移植を待つ患者は786人でした。待機時間は平均4年ほどで、短縮の見通しが立っていないことが課題とされてきました。
そうした中、欧米では摘出した心臓に栄養や酵素を含む循環液を流して拍動させる装置が開発され、心停止ドナーからの心臓移植が増えています。
米ニューヨーク大学のサイード・アリ・フサイン氏らのチームの研究によれば、アメリカでは心停止後の臓器提供者数が、2000年の118人から25年には8129人へと大幅に増加しました。また、アメリカ国内で年間4000件ほど行われている心臓移植のうち、4分の1が心停止後の提供です。
心停止後の臓器提供は、医師が心停止を確認した後、すぐに心臓を取り出し、装置に接続して拍動をよみがえらせる方法と、2~5分の確認時間を置いて脳血管を遮断した上でドナーに人工心肺装置を付けて再び心臓を拍動させた後、30分後に移植するかどうかを判断する方法とがあります。
日本心臓移植学会は今後、心停止後の心臓移植を行う場合の対象患者の要件や倫理面での配慮などに関し、提言をまとめる方針といいます。
《どう見るか》
「自由・民主・信仰」のために活躍する世界の識者への取材や、YouTube番組「未来編集」の配信を通じ、「自由の創設」のための報道を行っていきたいと考えています。
「ザ・リバティWeb」協賛金のご案内
YouTubeチャンネル「未来編集」最新動画