2024年6月号記事

果たし切れなかった「もう一つの使命」

ヘレン・ケラーは「霊界の真相」を伝えたかった

現代のヘレンの伝記にはほとんど描かれない、その本当の使命に迫る。

ヘレン・ケラー(1880~1968年)は、見えず、聞こえず、喋れないという「三重苦」の試練を乗り越え、世界の人々を勇気づけた「奇跡の人」として知られている。

しかし、その伝記の多くは、ヘレンが霊界思想を広めようとしたことを取り上げていない。ヘレンが信じていた宗教は、普通のキリスト教ではなく、エマニュエル・スウェーデンボルグに由来する教会(新エルサレム教会)だった。

スウェーデンボルグは17世紀の北欧に生まれ、幅広く学問的な業績を挙げた後、霊界の実在を訴えた宗教思想家である。その思想を奉じる新エルサレム教会では、カトリックやプロテスタントよりも詳細に「天界、地獄界」の実在と「死後の審判」の有様を学ぶ。

ヘレン・ケラーの幸福論
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大川隆法・幸福の科学総裁は、ヘレンが天界から「霊的な指導」を受けていたことに言及し、「この世的な能力がなくても、霊的に感じる力は、そうとうあったのではないか」と述べている。そして、果たし切れなかった、もう一つの使命についても言及していた(*1)。

キリスト教において十分ではない『霊界の思想』の部分を広げるような使命も、あるいは担っておられたのかもしれません

ヘレンの霊は、「世の中に十分にお教えすることができなくて、本当に申し訳ないと思っています」と語っていたので、この仕事については、思い遺しがあるようだった。

この記事では、巷の伝記では描かれない「奇跡の人」の素顔を紹介してみたい。

(*1)『ヘレン・ケラーの幸福論』

※文中や注の特に断りのない『 』は、いずれも大川隆法著、幸福の科学出版刊。

 

 

 

次ページからのポイント(有料記事)

スウェーデンボルグの霊界思想との出会い

障害はあっても魂は健全

ヘレンは「世界」をどのように体感していたのか