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最新号の特集は「60年目の中国」です。10月1日、中国が建国60周年を迎えました。「60年」とは還暦なので、中国では非常に重視されます。ある意味で歴史的と言える機会である!と気色ばんで北京に出かけてきました。
今回、私が一番感じたのは、「勢いの違い」でした。北京五輪後に世界的な金融危機があり、さすがの中国経済ももたないと思われていました。しかし、実際に北京に行ってみると、危機の兆候は微塵もありません。相変わらず新しいビルが完成し、道路がつくられていました。店員さんたちの接客態度は、ますます良くなっています。地下鉄のなかでもどこでもケータイがつながります。その地下鉄自体もピッカピカ。
もちろん、この国には問題が山積しています。膨らむ一方の財政赤字、貧富の格差、低い人権意識、危険極まりない軍事拡大にチベットやウイグル、そして台湾問題。どこか一つ決壊すればたちまち国家そのものが存亡の危機に立たされることは間違いありません。
それでも、この国の人たちが、強烈なハングリー精神で豊かになろうとしていることは事実です。日本に追いつき、追い越そうと必死です。はっきり言って、中国共産党は国民の全面的支持を受けているわけではありません。でも、私が話をした人たちはみな「中国」という国を愛していました。その「発展しよう」という意気込みは、「安定」という名の停滞に安住しつつある日本に住んでいる私には、少し羨ましくもありました。
今から30年近く前、鄧小平によって開放され始めたばかりの中国では、高倉健さんが国民的スターになり、山口百恵さんの「赤いシリーズ」が大人気になりました。当時の中国人たちは日本という国に憧れを持っていました。今も日本のスターに関心が強いことは事実です。私が会話をした20代の女性たちは水嶋ヒロさんの大ファンでした。でも彼女たちにはもう日本そのものへの憧れはありません。このままでは日本はやがて中国の強い影響下に置かれることになる。今回の訪中で本当に心配になりました。
