毎月ご愛読賜り、誠にありがとうございます。今月も最新号をお届けします。
バラク・オバマ氏が第44代アメリカ大統領に就任することになりました。黒人大統領の誕生は、ある面でアメリカの「人種差別」というカルマの刈り取りも意味します。そうした文脈からすれば素晴らしいことですし、アメリカ国民とマスコミが熱狂するのは当然でしょう。
ただ、同じように日本のマスコミまで浮かれ騒いでいるのはいかがなものか。一部の新聞を除き、まるでバラ色の未来が約束されたような調子で、その傾向は特にテレビの方に強いものがあります。47歳の史上初の黒人大統領、しかもルックスがよくてスマートというテレビ映りがいいことこの上ない被写体が誕生したのですから、騒ぐなという方が無理でしょうが。
騒いでいるのはマスコミばかりではありません。日本の某政党などは、同じ政党名ということで自分たちの候補が勝ったかのようなはしゃぎぶり。党首は「日本でも変革(チェンジ)を起こします」という旨の親書をオバマ氏に送り、党の国対委員長は自室にオバマ氏のポスターを張ったといいます。
大丈夫なのでしょうか、日本は。
最新号でも詳しくとり上げましたが、オバマ政権は必ずしも日本の平和や繁栄とつながるものではありません。いや、極端な場合、国難と言えるような状況すら生まれかねません。「人権外交」と軍縮を掲げて日本でも大人気だったカーター大統領の時代に、ソ連のアフガニスタン侵攻が始まり、イラン革命が起きてイスラム原理主義的国家が誕生しました。その一方、すぐにも戦争を起こしかねないと皆が危惧したレーガン大統領の時代に、ソ連崩壊、冷戦の終結へと歴史は進みました。
今、日本に必要なのは冷徹な目線と戦略ではないでしょうか。日本の未来について論じた最新号を味読いただけましたら幸いです。
