いつもご愛読賜り、誠にありがとうございます。今月も最新号をお届けいたします。
とにかくいろんなことが起きています。戦後初の参院での首相問責決議案の可決、秋葉原の通り魔事件、岩手・宮城の大地震、尖閣諸島をめぐる台湾と日本の衝突……。全部、この一ヶ月間の出来事で、ちょっと変な時代になってきたかな、と感じる今日この頃です。
そんな中で一言言っておきたいのが、アメリカの民主党・大統領候補争いで、ついにヒラリーがオバマに敗れた大番狂わせ。まさにフジテレビのドラマ「チェンジ」を地で行くような展開で、日米のメディアではヒラリーの敗因がいろいろ取り沙汰されました。もちろん私もその全てに目を通したわけではないのですが、大雑把に言えば日本のメディアでは「ヒラリーは女性差別のせいで負けた」という論調が目立ちました。中にはていねいにもフェミニズム学者まで登場させたメディアまであったほど。確かにヒラリー自身もそんな趣旨のことを話していましたし、民主党の女性支持者もそうしたコメントをしていたのは事実です。
ところが、アメリカのメディアを見ると「ニューズウィーク」のようなリベラルな雑誌さえ「女性差別は言い訳」というニュアンスで、女性差別を敗戦理由に掲げる論調は目立ちませんでした。なぜなら、今回の対立候補は黒人ですから、差別を言うなら人種差別の方が強い、と。では何がポイントになったかと言えば、「ヒラリーの傲慢さ」。つまり、「私が勝って当然」と言う態度で、オバマはおろか有権者まで見下すような態度が反感を買ったというのです。「成熟している」と言われるアメリカの民主主義ですが、冷静に見ればヒラリーが経験豊富で優秀なのは間違いないでしょう(オバマも優秀でしょうが、まだ未知数であるのは否めません)。しかし、最後は人間的な感情の機微がものを言うのはアメリカも日本と同じで、これは民主主義の妙であるとともに、その怖さでもあると、改めて思い知らされた民主党大統領候補争いでした。
さて、そのアメリカ大統領もやってくる北海道サミットの最重要テーマ「地球温暖化」を今月は特集しました。味読いただければ幸いです。
