安曇野の澄んだ水
毎月恒例の怒涛の締切りが終わりました。
入稿作業を終えて編集部を出ると、夏であれば朝日が街を照らし始めていたのですが、さすがにこの時期はまだ真っ暗。夜明け近くに、締切り明けの一杯のラーメンをすする楽しさは捨てがたいものがあります。
っていうか、その味わいが忘れがたくて夜明けまで編集長に付きあわされているのではないかという疑惑が、いま編集部では持ち上がっているのです。
ふん、今ごろ気がついたのか。
ところで長野県の安曇野に行ってきました。
長野市から松本市まで電車で向かったのですが、紅葉の見事なことといったら。いや、本当にこんな美しい紅葉は久しぶりに見ました。
駅間で迎えに来てくださった方々と仕事に取りかかる前に昼食を、ということで向かったのは安曇野。
安曇野の蕎麦屋で、「あさかわ」という名前を皆さんご存知ですか? 蕎麦通の間では、知らない人はいないという名店のひとつだそうで、クルマは一路そのお店に向かいました。
着いてみたら、まだお昼に小一時間はあろうかという時間帯なのに、もう長蛇の列ができています。地元の方の案内なので、申し訳ないことに予約させていただいていた席にすぐ通していただきました。
待つことしばし。
出てきたのは天ぷら付きのもり蕎麦。安曇野の名産として有名なわさびと共に、しょっぱさと甘さがちょうどいい具合でブレンドされているつゆにつけてズズッと蕎麦をすすれば、細く淡い中にもしっかりと芯のある蕎麦が口中でほのかな香りを立てます。
ああ、いま書いているだけで涎が出てきた。
おいしい。蕎麦の概念がコペルニクス的転換を遂げるほどのおいしさです。
おそばって、こんなにおいしいものなのね......。としみじみ思わせていただきました。
案内してくださった北条さん、ありがとうございました。
そのあと、有名な「大王わさび農場」に向かいました。
今はなき黒沢明監督が「夢」を撮ったときに、ここの水車と清流をロケ地に選んだのです。
その場所にいってみると、川の流れはどこまで清く滑らかで、水中の川草が優雅にゆらゆらと揺れています。
静かなときをしばし楽しみましたが、あら不思議。体の凝りも疲れもスーッと消えているではありませんか。
「これはすごいヒーリング効果ですねぇ」
と一同で感嘆することしきりでした。
ほんとに日本には素晴らしい場所がたくさんあります。仕事で地方をお邪魔したときは、駅と仕事先をUターンするだけというパターンが多いのですが、たまにこんな時間を過ごさせていただくことがあります。現地の皆様、本当にありがとうございました。
で、仕事はきちんとしたのかという疑問が湧いてきましたでしょ? それは......、ご想像にお任せします。
健康な島
ついにオバマさんが勝ちましたね、アメリカ大統領選。
日本で号外が出るなど、マスコミも野党も祝福・歓迎ムード一色です。
でも、そんなに手放しで喜んでていいのかなあ......。
オバマさんが外交、経済で何をしたいかイマイチ鮮明ではありませんが、私としては今までの発言から少し不安を抱いてます。
オバマ大統領誕生に関しては、今月末発売の2009年1月号で凄い企画を用意してございますので、どうかご期待ください。
さて、前回石垣島に行って来たことを書きましたが、今回は石垣島から空路降り立った宮古島について書きたいと思います。
宮古島は、以前から周囲の人から「絶対行った方がいい」「サイコ―」と聞かされてきた場所です。今回、初めて訪問して、島のリバティ愛読者の方々と交流しつつ、東平安名岬など、名所を駆け足で回ってきました。
宮古といえば「オト―リ」です。
この言葉を聞いてすぐに理解できる方は、かなりの左党、といてよいでしょう。
「オト―リ」とは、口上を述べつつ永遠と思えるほど泡盛を飲みつづける゛恐怖゙の儀式なのです。
この儀式が宮古島では有史以来(って、本当か)続いてきたのです。
何かあれば「オト―リ」。
これが宮古の伝統だそうで、やっぱりトラブルも尽きないので、何でも役所が「オト―リ」防止のための会議をやったとき、無事会議が終わったところで「それでは」と「オト―リ」が始まったという「伝説」があるそうです。
今回は幸か不幸かこの儀式に立ち会わずに済みましたが、どんなものか覗いてみたい気もします。
ちょっと不健康な話をしたので、健康的な話もしときましょう。
毎年、すごい数の人が集まって、海を泳ぎ、自転車をこぎ、マラソンをするのです。
今回、宮古を案内してくださった方々のご家族も、やっぱりというか出場されているそうです。出場する人もたいへんだけど、その家族など応援団も夜明けから移動しながらの応援になるため、かなり大変だとか。でも、夕日に照らされながら、選手と応援の家族みんなでゴールするのは、とても気持ちがいいそうです。
今回は、そのトライアスロンのコースになる海や道路をクルマで走ってきました。
石垣とちがい、宮古はとても平坦な島です。山がありません。海にぽかんと浮かんだ台地という感じなのですが、いやその美しいこと。こんなコースを走るのだったら、ちょっと挑戦してみてもいいかな、なんて思いました(絶対ムリでしょうが)。
景色だけではありません。どこにいても、海の香りや花のかぐわしい香りが漂っているんです。ここは「花の島」だなあとも思いました。
これだけ美しい島だと人間も東京とはずいぶん違ってくるんでしょうか、会う方、会う方みんなおっとりとしておおらかで、優しくて。
景気は必ずしもいいわけではないようです。が、おかしな開発に走らず、景色、香り、そして人という宝を大切にしてほしいと思いました。
ああ、書いているうちにまた行きたくなってきた......。
スケジュール帳を早速開いた私に、編集部のみんなから冷たい視線が。
今日はこの辺で。



