政府が尖閣諸島のうち魚釣島、北小島、南小島の3島の購入について地権者と合意したと発表した。月内に正式な契約書を交わすという。都がこれ以上尖閣の購入手続きを進めると「中国を過度に刺激する」という配慮による。5日付各紙が報じた。

長浜博行官房副長官が3日、地権者と直接交渉した。政府は、石原慎太郎都知事が提示した14億5千万円より高い20億5千万円で尖閣3島を購入するという。

野田首相と都知事は8月19日に会談し、都知事は待避施設や電波の中継基地などを国が整備するならば、都の集めた寄付金を提供すると伝えていた。しかし、政府は中国を過度に刺激することを避けるため、待避施設などを作らない方針だ。石原都知事は5日、自宅前で報道陣に対し「地権者からじかに聞かないと納得できない」、一方で「政府が購入するならば義援金は即座に政府に渡す」と述べた。

都は尖閣諸島購入の下見のために上陸を申請していたが、政府が拒否したため2日に洋上視察を行っている。都は2回目の視察を10月に予定しており、その際都知事は同行し、上陸する意向を示していた。それが中国を刺激することを国は恐れ、購入を急いだという声もある。国有化は実効支配を強めるとみなすことができるが、この経緯では中国の顔色を伺っただけではないか。

野田首相は弱腰を見せることなく、国土を死守する態度をはっきりさせ、知恵と資源を集中投下すべきである。さもなくば尖閣の未来は危ない。(居)

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