現代のネット社会は、オープンなネット環境を利用したコラボレーション(協働作業)に著しい進化を遂げている。

そのような中で、社会起業家を資金的に支援する「クラウドファンディング」という新たな手法が今、注目されている。「クラウド」は「多くの人」という意味で、「ファンディング」は資金調達を意味する。

「何か社会に貢献したい」「自分のアイデアを生かしてみたい」という社会企業家的な人たちが、自分の構想・アイデアとその熱意を込めたプレゼンをネット上に掲載し、賛同者を得て、資金を集める仕組みだ。

24日付日本経済新聞で、米州総局編集委員が「ネット資金調達、米国の賭け」と題して、「クラウドファンディング」のアメリカでの広がりを伝えている。

カスタムメードのジーンズ製造会社を立ち上げた若者が、ネットで賛同者に寄付を呼びかけ資金を調達した事例などを紹介。

今月成立した新法では、投資型でも一定範囲でネットを通じた募集を認めたことから、このような米国の新たな賭けにチャレンジしていく姿は、日本から見るとまぶしく見える、という主旨だ。

だが、実はすでに日本でも「クラウドファンディング」は成功事例が出ている。

「READYFOR? (レディーフォー)」や「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」といった団体がその手法を先導している。東日本大震災への支援策としても具体的な実績があり、「READYFOR?」は、「陸前高田市の空っぽの図書室を本でいっぱいにしようプロジェクト」で700万円以上を集めた。

1件当たり数百万円単位までの実績が中心だが、億単位のプロジェクト実現も夢ではないと言う。

純粋な動機づけから出発したものがネットを通じて「善意の好循環」を生んでいるわけだが、アメリカのようにビジネスにおける資金調達にも応用できる。今後のクラウドファンディングの発展に期待したい。(富)

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